イタリア旅行記(40) フィレンツェ・ドォーモ

ウフィッツィ美術館を過ぎてまたアルノ川沿いをポンテ・ヴェッキオ方面に歩く。
ヴェネツィア往きの列車の発車時刻まで残り時間はあと半分というところ。
地球の歩き方をみればまだまだ面白そうなところがいっぱいあるが、さすがに訪れて見学する時間はないだろう。

それならばコーヒー好きの行き先はBarに決まっている。
フィレンツェの美しい景色を眺めながらエスプレッソをいただく。
そして歩き疲れた身体をしばし休めてあげる幸せ。
そのお店を探してしばし川沿いを歩くがなかなか見つからない。
仕方ないのでドォーモの方面に向かった。
まあ観光地だし、必ず飲食店があるはずだ。

大通り、裏通りをちょこまかと抜けて歩いていると異様に賑わう広場に出た。
おお、日本人観光客の一団!
ツアーガイドさんが発する日本語が懐かしい響き。

世界中の観光客が集まって地面が見えないくらいの広場の上にドォーモのまあるいお屋根がそびえている。
はじめて見たけど第一印象は「でっかい」。
荘厳さとか迫力という言葉では言い表せない規格外の大きさに、心の中では「でっかい」を連呼してしまう。

朱色の屋根がほどよく日に焼けていい味わいを出している。
屋根のオレンジ色が瑠璃色の空に対比して目に心地いい。
もしカメラがない世代に生きていたなら、この感動を持ち帰るために絵を描いたろう。
素晴らしい絵画も、僕が今感じている気持ちからうまれたのかもしれない。
一度キャンバスを持って出かけてみるのもいいのかな、なんて気持ちが飛来する。

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