イタリア旅行記(47) ヴェネチアの路地

サンマルコ広場への道のりは近くて遠い。
サンマルコ寺院の塔がここからでも見えるがまだちょっとあるようだ。

船着き場から海沿いを歩いてゆくのが一番の近道のようだがそれでは感動が薄い。
やはりヴェネチアの細い路地をちまちまと歩き、一度自分の視野をうんと狭くする。
そのままの視野で突然広場に突き当たる。
その時の感動は想像するのに難くない。
感動にはちょっとした演出が必要だ、ということはこういう仕事をしているとよくわかる。

その知識、テクニックを自分に使う時が来た。
という事で、サンマルコ広場を目前にしつつ路地へ。
車1台ぶんくらいの狭い路地。
両サイドともお店がオープンしていてひしめき合っている。
建物は4~5階くらいの高さだろうか。

確かに薄暗いけれど適度に日の光も差し込んでくる。
徒歩の人間にはとても心地の良い空間だ。
きっとこれも古き時代の人々の知恵によってデザインされた黄金律なんだろう。
現代の都市が忘れてしまった大事な何かが確かに息づいている。

レストランを発見。
ヴェネチアは海の街だからやはり海産物が売りなんだろう。
店の前に氷を山積みにして、そこに魚介類を並べたディスプレイが美しい。
側まで近寄ってみて見るとエビが生きて動いている。
暑いさなか氷を身体に浴びて遊んでいるように見えて失笑。
急におなかが減ってきた。

エビが手招きするお店の向かいにあったBarに入ってパニーニとエスプレッソ。
おいしい魚介類パスタはお昼にとっておこう。
アリーベデルチ。

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