海に浮かぶ街、運河の街、アドリア海の宝石ヴェネチア。
ヴェネチアを楽しむ方法をいろいろ考えたが、やはり船に乗らないとはじまらない。
僕の計画は一番の目的地であるサンマルコ広場へまず船で突入し、そこから帰り道を楽しむというもの。
こういう観光の手順を立案し遂行するとき、少しジェームス・ボンドな気分を楽しんでしまう。
サンマルコ奪還作戦スタート。
まず観光客にまぎれて船に乗る。
船着き場に乗船券の販売所があるのでチケット購入。
さっそうと乗り込む。
乗り込んだ船は観光客も多くなく、すんなりシートを確保できた。
乗客をのせると忙しそうに船着き場を離れる船。
僕の船にはサンマルコ広場行きと書いてある。
きっと美しい運河を抜けてヴェネチアらしい風景に出会えるはずだ。
そのはずだがどうも反対方向に走り出しているように思う。
あれれーなんでーと思っているうちに海に出た。
水平線がまぶしいっておい!なんでー?
となりのフランス人カップルもいぶかしがっている。
船の路線図を見てみると意外な事実が。
運河周りの船も、海周りの船も、どちらも終点はサンマルコ広場。
しまった、逆回りだ!
作戦は開始と同時に失敗。
海回りの船は荒波にもまれ船酔い寸前。
海風が冷たく強く吹き付ける上に、しぶきが頭から降ってくる。
僕の優雅なはずだったヴェネチア運河体験は、過酷な上陸作戦へと変わり果てたのだった。
ああぁぁぁ。
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